昨年の今頃は、合併協議会で合併に関する調整が終わり、3町の議会で可決されれば合併が正式決定、という段階でした。私自身は、今回の合併の調整に関して不十分な点があるとは思っていますが、まず合併をして行政を先に進めることが先決であると判断して2月の議会では合併関連議案に基本的に賛成しました。(議員の10月までの在任特例案には反対しましたが、賛成多数で可決。協議会での決定を覆すのは難しいです。)
合併が平成18年3月20日に決まった一年前は随分間延びした印象を受けたものですが、もう3ヶ月たらず。新加東市をよりよい町にしていきたいものです。

合併で何が変わる?

 といっても、合併したからといってオセロの駒をひっくり返すように市になったから急に何から何まで変わるものではありません。よく「合併のメリット、デメリット」ということを言いますが、合併のメリットは長期的に見て財政基盤・行政能力の高い自治体を作っていくことにあるのですから、すぐ目に見えてくるものはありません。
 逆にデメリットは、今まで3町が別々にやっていたことを一つにまとめていく中で、当然今までと違うことも出てくるので、住民のみなさんに先に見えてくることになると思います。そんな中で「いかにデメリットを少なくし、合併の効果を早く生み出していくか」という工夫が新市の運営には求められると思います。
 加東市になっても、行政は3町の事務事業のすり合わせを中心にやっていますので、現行と変わることはあまりありません。(社町体育祭なども現行どおり)特に合併後変わる点といえば、
@役場が分庁方式に
 3町が合併しても職員全員が入りきる建物はないので、3町の現庁舎に機構が分散配置されることになります。現在の案としては、
社庁舎……企画部、総務部、福祉部
滝野庁舎…市民生活部、建設部、教育委員会
東条庁舎…経済部、保健介護部、上下水道部    となっています。
各庁舎には「総合窓口」が置かれるので、一般的な申請・届出などは社の庁舎で対応できますが、込み入った相談等になると各部の置かれている庁舎にご足労お願いするケースも出てきます。
また、この分散配置の状態を解消するために、合併の「新都市建設計画」には10年以内に市役所庁舎を建設することが盛り込まれています。(私は新庁舎の建設には反対です。同じく「新都市建設計画」には「総合福祉センター」の建設が盛り込まれています。そこへ現在の社町の福祉センターやラポートの機能を移転することで、空いたスペースを改修して庁舎として活用すれば、役場機能の集中は可能だと考えます。また、今後の合併の有無についても見定める必要があると思います。そんな中で、現計画で40億円もの費用を投じて市役所を建てる必要があるのでしょうか?) 
A公共料金について
地方税…「地方税法」により全国一律の基準が決まっているので、変化はない。
上下水道料金…使用量によっては月数百円程度の変動。
CATV…1300円に値下げ。(滝野との調整)東条含めて全市に整備後、見直し。
保育料…値上げの予定(社町の基準が今までかなり低かったため)
国民健康保険、介護保険…新市発足後、試算して統一の基準を作る。
B今後の課題
 3町の事務事業の調整は、大詰めを迎えています。とりあえず、加東市がスタートする段階でどのようにすり合わせをしておくか、という話はできつつあります。
 ここから、どのように新しい住民サービスを展開していくか。「新市になってから」「新市長の判断を待つ」ということで、先送りされている課題もかなりあります。
 また、合併協議会の計画の中でも、先ほど述べた新庁舎の建設など事業や、「合併して行政のスリム化を」と言われながら「平成32年までに職員数の1割削減」といった現在の数値目標などの是非も問われてくることになると思います。
 また、赤字経営の続く社病院に対するビジョンも問われてくるのではないのでしょうか。赤字が出れば出るだけ補てんしていくのか。(平成16年度2億円、平成17年度現段階で1億円。これは当初予算で4億円弱の補助を入れた上での赤字です)また、病院の増改築計画(20億円)についてもどう考えていくのか。(私は、まず加東市というエリアだけでなく、北播磨全体を見た中で、社病院の将来的な位置づけをする必要があると思っています。)加東市がスタートしてからも、課題は山積しています。
C市長選挙には是非行きましょう。
 さて、Bで書いた様々な課題をどのように処理していくのか。それは新市長の采配に委ねられる部分がかなり大きいです。決して「誰がなっても同じ」ということはありません。選挙に行かずに、その後の行政に不満が残る、といったことはないでしょうか?
 現在は選挙公報が発行されていないので(私は政策本位での選挙実現のため、是非とも発行したいのですが。)候補者の政策については新聞報道などによるところが大きいと思います。ただ、市になったら公開討論会なども計画されるかも知れません。「加東市の未来を決める一票」を投じていただきたく思います。
 なお、市長選挙は3月20日の合併後50日以内に行われることとなっています。(準備期間などを考えると、4月の後半になるのではないでしょうか)現段階では高橋社町長、山本滝野町長が出馬を表明されています。(小池東条町長は不出馬)
D最後に議員の在任特例について…
 住民のみなさんからお叱りを受けることのほうが多い「10月末までの議員の在任特例」。私も反対しましたが、全体として在任特例で決まった中で、私自身どうすべきなのか迷うこともありました。3月19日で辞職すれば個人的にはすっきりしますが、議会が続いていく中でそれでは余りにも無責任ですので、任期を全うすることにしました。(なお、自主解散を求める声もありますが、議会の自主解散は五分の四の賛成が必要なのでよほどのことがない限り難しいです。リコール運動でもあれば別ですが…)

訴訟の経緯

 さて、私と磯貝議員で町に対し訴訟にまで発展しお騒がせしました管理職に対する時間外勤務手当の支給(選挙時)に関しまして、新聞報道などでご存知の方もおられるかと思いますが、経過をご報告したいと思います。
@そもそも何が問題だったのか
 ・まず、選挙の時だけとは言え、管理職に時間外勤務手当を支払うという行為。
 ・また、時間外勤務手当の額は「長が別に定める」となっていて、違法な条例であること。(地方自治法上、各種手当の額は条例で決める=議会の議決が必要 とされており、町長が別に定めることはできないことになっている)
 ・今回の仕事は選挙の期日前投票管理者という立場。同じ仕事を民間の方に頼めば、半日で約1万円。なのに公務員は残業3時間で時間外勤務手当1万円?
A訴訟に至る経緯
 昨年6月にこの条例が議会の賛成多数で可決。私も、普段であれば不満はあっても多数決の原理には当然従います。しかし、今回は先述したように「違法な疑いがある」のです。前町長や前助役等に何度か是正を求めましたが、「一度決めたものをすぐに変えられない」というようなことで、聞き入れていただけませんでした。
 昨年12月に議員としてこの「管理職への時間外勤務手当」の支給の条項を撤廃する条例案を提出しましたが、賛成少数で否決。私は議員としてこの違法状態を是正することはこの時点で限界であると判断しました。その後、住民監査請求を行うも却下されたため、今年3月に訴訟に踏み切りました。
 私自身としても、訴訟以外の方法で解決したかったのはいうまでもありません。(相手は自分の住んでいる社町なのですから)しかしどうして話し合いに聞く耳を持っていただけなかったのか…後から(訴訟の直前に)わかったことなのですが、実は同じような訴訟がかつて奈良であり、「この管理職への時間外勤務手当が違法であるかどうかはともかくとして、国政選挙の場合は国の委託を受けて国の費用で行っているわけだから、市自体の損失は無い。よって返却する必要は無い」と行政が勝った判例があったのです。
 「国の金やったら違法に使ってもおとがめなし!?」という理解しづらい判決ですが、これがある以上前町長・前助役は「違法かどうかは別にして、訴訟になっても負けることはない」と判断されて、私達の訴えに耳を貸していただけなかったのではなかったのでしょうか…
B訴訟の経緯、判決
 私たちも、同様の事例で敗訴している例があることを知って、負ける可能性の高い訴訟をすべきかどうかについては非常に迷いました。ですが、自分が「違法である」と確信している条例が多数決で通ってしまったのであればそれを是正する必要がありますし、その時点での是正の可能性を訴訟にしか見出せないとすれば、勝てる可能性は低くとも戦わなければならないと思いました。たとえ負けても、判決文の中で条例の違法性について認定されれば…との思いもありました。
 12月14日に出た判決は、ほぼ私達の主張どおりの完全勝訴の形になりました。正直に申し上げて、ここまでの判決が出ることは私も完全に予想外で、「負けても判決文の中に違法性が認定されているかどうか」ということを気にして法廷に臨んでいましたので、裁判長が我々の勝訴の判決を朗読し始められたときには本当に驚きました。
C訴訟の結果の意味するもの
 今回「何も訴訟までするほどのことでは…」という意見もいただきました。ただ、我々がここまでやらなければならなかった意味は、
・「管理職に時間外勤務手当を支払う」という町民のほうを向いていない考え方を是正しなければならなかった。
・町としても場合によっては間違うことがあります。そんな時、臨機応変に改めるべきは改める、という姿勢に立つべきであった。過ちを改むるにはばかることなかれ。
・たとえ違法なものであっても、議会の多数派(尚政会、共産党)が賛成しさえすれば何でも通ってしまうという流れを改めなければならなかった。(議会がチェック機関として健全に作用していなければ、行政の言いなりになってしまい、住民を見ていない施策でも何でも通ってしまう)
こういった状況を是正していかねばならなかったからです。
 随分町をお騒がせした…という思いももっていますが、これも健全な議会・そして町行政発展のためとご理解いただければ幸いです。

高橋新町長就任

 高橋新町長が9月末に就任されて約3ヶ月。公約されていた町長報酬の20%削減(←これには私は反対しましたが…)、防犯灯162基の増設、数集落単位でのまちづくり懇談会の再開など、公約実現に向けて精力的に努力されていると思います。
 その反面、私の「財政健全化至上主義」的な考え方からすれば、病院の赤字に関して「経営努力をした上での赤字なら補てんしていく」、「集客力や利便性を備えた野球場、サッカー場を作りたい」「分庁舎では不自由なのでなるべく早い段階で新庁舎を建設したい」というような町長の考え方とは少し違いがあるな、とも思っています。
 行政機構としての社町もあと3ヶ月を切りました。今後もまださまざまな調整などが残されていますが、高橋新町長の行政を見守っていきたいと思います。
(私はどなたが行政のトップであっても、常に住民の目線で見た是々非々の立場で物事を判断できる議員でありたい、と思っています。)