9月25日の社町長選挙において高橋修一氏が、町議会議員補欠選挙において安田・上月・林山の三氏が当選され、新しい体制で社町としてのしめくくりに臨むことになりました。3月20日の合併まであと4ヶ月半、心してかかりたいと思います。また、議員としては与党・野党の枠にこだわらず、今まで通り是々非々の立場で臨むつもりです。
 前任の小東町長とは、急激な改革を望むあまり衝突することも多かったのですが、無理をされなかった事は率直に評価したいと思います。退任の日に蓬莱議員と挨拶にうかがい、いろんな思いを聞かせていただきました。4年間社町を守り抜いて任期を全うせねばとの思いと、それを実現されたことに敬意を表します。本当にご苦労様でした。

10月臨時議会

 高橋新町長を迎えて初めての議会が10月14日にありました。就任あいさつの中で、3月に決定している当初計画に従って着実に事業を執行していくこと、円滑な合併に向けて努力していくこと等を述べられました。また、公約についてはすぐできるもの・時間のかかるものがあるが、できるものから着手していくとのことでした。
 その公約の中で、まず議会に提案されたのが町長給料の20%削減でした。結論から申し上げれば、私は反対しました。以下2点、その理由を書きたいと思います。

@町長給料を改定する適正な手続きが踏まれていない。
 町長等特別職の給料を改定する際には条例により特別職報酬審議会を開くことになっています。今回は開かずに「特例」の形での提案となりました。
 当初、町長給料を88万円から70.4万円に変更する条例案が提案される予定でした。しかし、審議会を開いていないことに対する反発があったため、条例上の給料88万円は据え置いたまま、特例として20%減額する内容に変更して提案されました。
 本会議において、この変更は「手法的に審議会を開くのを回避するため」であったとの答弁がありました。言い方を変えれば手を抜くためと言うことです。(過去に特例での減額は2例ありますが、町行政の監督責任における懲罰的なもので趣旨が違います)
「町長が給料減らす言うとるんやし、選挙で支持されとるんやから、そんなに手続きにこだわることないやろ?」というご意見もいただきました。しかし、私は今まで行政に「法や条例にのっとって行政を行ってください」と言い続けてきましたし、それによって見直された事項もあります。そんな中で「今回はまあいいんじゃないでしょうか」などと言うことはできません。自分なりにぶれずに筋を通す必要があると思いました。

A給料を減額することは一概にいいとは言えない。
 今回の条例に反対したのは5名でしたが、うち4名は「減額は結構だが手続きを踏むべき」という趣旨で、減額そのものに異議をとなえたのは私一人だけでした。
 私は、給料の額は、それに応じた責任の重さで決められると思っています。
 社町長の職務を考えたとき、社町2万1千の住民のリーダーであり、普通会計部門だけでも150人以上の職員のトップであり、80億円あまりの予算の執行をするということはかなりの重責です。もちろん、病院経営等の責任もあります。そう言った点も踏まえて、平成9年に町長給料が月額88万円と決定されたのだと私は受け止めています。
「よりよい社町を作っていく責任」、お金の面だけ見ても「億単位で町長の裁量の余地があることに対する責任」そういったものは数十万円の町長給料の減額とは引き換えにできないと私は考えています。
(ただ、平成9年以来一般職の給料を下げているのに特別職は据え置かれている等、きっちりした議論をふまえた上ならば町長給料を見直す時期には来ていると思いますが。)

高橋町長は「責任と給料は関係しない」と答弁されました。もちろん、「給料は下げても責任は十二分に全うする」という意味で言われたのだと思います。その意気込みは相当だと思いますが、私の上記の考え方とは相反するものでした。
ただ、町長が責任を負うのは住民に対してなのですから、選挙を通じて住民が納得している以上、私議員個人の思いだけで反対はできません。最終的に議案の賛否については、はじめに書いた適正な手続きがふまれていない点を重視して判断しました。

私は、「特例」を11月一杯に限り、その間に適正な手続きを踏んで条例を出し直す趣旨の修正案を提案しました。今回の民意を自分なりに最大限尊重した結果だと考えています。修正案は賛成6(藤尾、上月、氷見、磯貝、鷹尾、林山)反対11で否決され、その後氷見議員が原案にも賛成にも賛成されたので12対5での原案可決となりました。
「給料を減額するという見えやすい行為に対して反対することに理解が得られるのか?」という思いもありましたが、法令を遵守した行政をすることも重要です。ご理解いただければ幸いです。

9月議会
・一般質問「労使交渉について」…今年の人事院勧告は、来年度以降の抜本的な給与の見直しに踏み込んだものでした。「来年度以降のものは新市にゆだねたい」という答弁でしたが、今年度中に決めておかなければいけないことなので議論がかみあいませんでした。ただ、労使交渉について、文書で存在するものは公開対象であると確認できたのは一歩前進だと思います。

産業建設常任委員会…地域農業ビジョンについての説明がありました。担い手農家に補助金を重点的に配分すること、現在の行政主体の生産調整(減反)が平成19年産米から生産者の自主的調整になること等の説明がありました。農業の現場におられる方にとっては大きな変化だと思うので、十分な説明が求められると思いました。

平成16年度決算

 9月議会では、平成16年度決算についての審議も行われました。すでに町広報でも公開されていますが、少し違った視点(性質別歳出)から見てみたいと思います。

人件費 扶助費 公債費 物件費 維持補修費 補助費等 繰出金 投資的経費 その他 合計
H16年 16.2 6.5 11.9 10.4 0.9 16.0 11.0 6.5 1.6 81.0
H15年 15.6 6.1 11.3 10.4 0.8 14.6 9.8 12.4 1.8 82.7


 (単位・億円 一千万円未満四捨五入。)
A.人件費…職員の人件費です。給与・手当等はこのうち11億円程度ですが、職員共済掛金(社会保険のようなもの)・退職手当組合負担金等を加えるとこの額になります。
(このうち6700万円が議員分)

B.扶助費…児童・高齢者・障害者等福祉の観点から支給されるお金です。

C.公債費…借金(地方債)の返済に充てた費用です。昨年借り入れた額は約6.4億円。(うち4.2億円は国が支払うべきお金の立替えのようなものですので、実質の借り入れは2億円程度)普通会計での地方債残高は103.6億円→100.4億円と減少しています。

D.物件費…10.4億円と巨額ですが、これは業務委託料等を物件費に含めるためです。

E.補助費等…各種団体への補助金・負担金です。この中には近隣市町と共同設置している「一部事務組合」(加東消防、ケアホームかとう、西古瀬の北播衛生事務組合、小野クリーンセンター、斎場等)への負担金が含まれるのでこのような金額になります。
F.繰出金…町の一般会計から企業会計・特別会計に繰出している金額です。
Fの補助費・Gの繰出金を合計して27億円ですが、下水道・農業集落排水・コミュニティプラント3会計への繰出9.5億円と、病院事業会計への補助・繰出5.8億円で半分以上になります。今の下水道料金や、病院経営はこれだけの税投入で維持されています。

H.投資的経費…公共工事等の投資的経費です。平成15年度でCATVの工事が終了したため、大幅減となりました。学校体育館、社中学校の格技場の改造等学校施設の整備に2億円などが中心で、「無駄な公共事業」などと呼べるものはありません。一定の公共サービスを展開していくためには最低この程度の金額は必要だと考えます。

また、昨年の形式収支は約2600万円の黒字でしたが、財政調整基金の取り崩し等の要素も加味した実質単年度収支は4.5億円の赤字でした。大規模な公共事業等もなくこれだけの赤字を出したということは、財政が非常に硬直化していることを意味します。

教育委員会
 9月30日に教育委員会があったので傍聴に行ってきました。加東郡教育委員会は加東郡の教育行政の執行機関で、増田教育委員会委員長をはじめ5名の委員で構成されています。(そのうちの1名が前川教育長です)その事務局が梶原にあります。
 今回が初めての傍聴だったのですが、議会で出た教育行政への意見を教育委員会に持ち帰って再度検討されていることに感激しました。特に、ゆとり教育の中で懸念されている学力低下について、「授業の質を検証することが必要」「教える内容が少なくなっても、越えるハードルを低くしてはいけない」「総合学習が教科学習に結びついているのか」等の意見が出されていましたが、もっともな事だと思いました。
前川教育長は、「ゆとりと学力は相反するものではない。詰め込み教育に針を戻すのではなく、今のゆとり教育の中で確かな学力を身につけていくことが大事」と述べられました。非常に高い目標設定だな、と思うと同時に、実現するためには非常に綿密な計画が必要だと思いました。ただ、全国平均で1日2.7時間もテレビやゲームをしているらしいので、学校のゆとり教育だけが学力低下の原因ではないと思うのですが…
話がそれましたが、白熱した議論を聞かせていただき、非常に参考になりました。

病院経営について

8月8日、香川県坂出市の坂出市民病院に議会で政務調査に行かせていただきました。平成初期の極度の経営不振から立ち直った病院なのですが、院長の交代により医師の入れ替え等かなり思い切った経営改革をされていました。小東前町長も同行されていたので、9月の一般質問・決算特別委員会で感想を聞きましたが、「当時とは財政事情が違うし、現在の医師不足の状況から考えてみても、社町で同じように思い切った改革ができるか、というと無理。」「医療、福祉の拠点として社病院は必要不可欠。赤字の対応策については、個々努力はしているがこれといった決め手はない」という答弁。「身動きが取れなくなっている」というのが率直な感想です。左のページで述べた負担を考えると、現状のまま維持していくのは無理。経営形態も含めて、聖域のない議論に入る段階に来ているのではないかと思っています。
 昨年度は、薬の院外処方の影響が大きく、薬の売上が減ったにもかかわらず(当然原価も減っていますが)人件費がほぼ横ばいのため、医業収益にしめる人件費の割合(人件費比率)が67.4%と急激に悪化しています。(一昨年度は56.2%。適正水準は50%といわれています)昨年の医業収益22.2億円のうち、15億円が人件費。これで黒字になるわけがありません。民間の病院経営者に見せたら目を丸くされていました…